

とてもスタイルの良い男性は、Tシャツにジーンズを合わせるだけで格好よく見えますが、スーツスタイルとなるとそうはいきません。
上記の決まったアイテムを合わせるだけでは格好良くならないのです。
例えば就活生のスーツスタイルが良い例です。
とても初々しく、フレッシュないで立ちですが、スタイリッシュなスタイル・・とは言い難いです。
スーツを着こなすには、“着慣れる”事が大きなポイントの一つとなります。
何着も着用し続けて、失敗を繰り返すことで洗練されていくものです。

しかし、むやみに着倒せば良いワケではありません。
「自分のスタイルに合ったものがどんなスタイルなのか・・。」を見極めていくことが重要です。
そこでポイントとなってくるのが、「スーツの基本スタイルを知る」という事です。
スーツの基本を知り、定番スタイルを知ってこそ独自のアレンジが活きてきます。
自分のスタイルを確立していくには、まずは基本を知ること。これはビジネスにも当てはまるのではないでしょうか。
基本を知らずしてスクラップ&ビルドを行う事はできないのと同じです。
スーツスタイルが洗練されていくことは、皆様のお仕事にも好影響を与えるはずです。
◇◆スーツの基本の3型とは

①:ブリティッシュスタイル
②:アメリカンスタイル
③:イタリアンスタイル
スーツのスタイルは、大きくこの3つに分かれます。このスタイルを知ることで、スーツのスタイリングはグッと向上します。
そして、基本を押さえておくだけで、様々なアレンジを楽しめるはずです。
現代スーツの歴史の始まりは、100年以上遡ります。
フロックコート・モーニング・燕尾服といったものは裾が長く、その裾を取り払ったものが、今のスーツスタイルの原型となります。

そしてそのスタイルは、英国ロンドンのサヴィル・ロウを中心に広まっていくことになります。
これが全ての基本とも言えるブリティッシュスタイルです。
そして、ブリティッシュスタイルをお手本に様々な国でスーツのスタイルが確立していきます。
その一つがアメリカンスタイルとなります。
ナンバ-ワンモデル(I型)と呼ばれるスタイルから発展していき、大量生産・大量消費社会のアメリカらしい、ゆとりあるスーツシルエットとなります。
最後にイタリアンスタイルです。
この3つのスタイルでは一番新しいスタイルであるイタリアのスタイルは、エレガントで美しいシルエットと言われております。
イギリス・アメリカと比べるとスタイリングの幅も広く、華やかな印象です。
それでは、この3つのスタイルの特徴を細かく見てきたいと思います。
★ブリティッシュスタイル

きっちりとして印象を好むブリティッシュスタイルは、スーツの基本となる正統派スタイルです。
構築的なショルダーライン、男性らしい厚い胸板を演出する、胸からウエストのシェイプが英国スタイルの特徴です。そしてその着こなしは実にシックというところ大きなポイントでしょう。
イギリス人が好む考え方に「アンダーステイトメント」があります。
アンダーステイトメントとは“控え目な表現”を意味し、「装い」もその一つです。
過度な着飾りや拘りを強く主張するのではなく、ベーシックなスタイルを洗練させていくのがブリティッシュスタイルと言えるでしょう。
【ブリティッシュスタイルの特徴的なポイント】
・強いウエストシェイプ
・胸・腰まわりにでる美しいカーブラインはイングリッシュドレープと呼ばれる
・しっかりと肩パッドが入るパッテッドショルダー
・ジャケットの着丈は長め
・スラント(斜めに切り込みが入る)ポケット
・チェンジポケット
・ベルトレスのトラウザーズ(ベルトループ無しのパンツ)
・シャツはワイドカラーやピンホールカラーがオススメ
・靴はブラックが◎
ブリティッシュスタイルの味付けとして、ブレイシーズ(サスペンダー)もおすすめのアイテムです。
★アメリカンスタイル

大量生産、既製品という概念から、広い範囲でサイズ・体形を網羅できるゆとりを多くとったスタイルがアメリカンスタイルです。
定番スタイルとして、オックスフォードのボタンダウンシャツ、レジメンタルのネクタイ、アメリカらしいボリューム感のあるシューズ、といったところでしょうか。ウエストシェイプが無く寸胴なスタイルが特徴となりますが、それこそがアメリカンスタイルです。
【アメリカンスタイルの特徴的なポイント】
・ウエストシェイプが無く、ボックス型のシルエット
・フロントダーツ無し
・フックベント
・ミシンステッチ
・ナチュラルショルダー
・3つボタン段帰り
・シャツはボタンダウン
米式は「リバース」とも呼ばれています。
アメリカンスタイルをコーディネートする際には、リバースを合わせると気分も盛り上がります。
このリバースを商品化したパイオニアが「ブルックスブラザーズ」です。
★イタリアンスタイル

イタリアンスタイルは、高い位置でウエストシェイプするエレガントなスタイルです。
控え目な表現である、英国のアンダーステイトメントに対して、イタリアのスタイルは対極のオーバーステイトメントと言えるでしょう。スーツの生地を見ても、柔らかく艶のあるものが代表的です。
また、その仕立ても柔らかく「イタリアのスーツはシルエットが美しい」と言われる所以です。
【イタリアンスタイルの特徴的なポイント】
・いせ込みを駆使した袖付け、マニカ・カミーチャ
・ウエストシェイプした立体的なシルエット
・ジャケット・パンツなど、丈は短め
・袖ボタンは重ねボタン
・胸ポケットは、バルカ(船形)
・芯地など、全体的にソフト
華やかなイタリアンスタイルには、色を使ったポケットチーフが良く合います。